通常の血糖値は,食後2時間でも140以下が正常です。
血糖値が、70前後以下に下がると,低血糖症状が起こります。
(ただし,糖尿病の方で,コントロールが悪いと,体が高い血糖になれてしまって、100ぐらいでも低血糖症状が出る方がいます。)
手の震え、気分が悪い、強い空腹感、脱力、冷や汗、頭痛
ひどいものになると,意識消失、昏睡が起きて,死亡することもあります。
- 糖尿病で経口血糖剤やインスリンを使用している方に起こります。
食事前の空腹時に起こることが多いです。仕事などの関係で,食事時間が不規則な方で食事時間が遅れると起こります。また、食事の量が一定してないときにも起こります。
- 低血糖の処置
砂糖水、ジュースあるいはクッキーなどを食べる。そのあとすぐ食事をするのが無難です。飴は,溶けて吸収されるまで時間がかかるので砂糖が最もよいです。
ただし,ポグリボース(ベイスン)、アカルボース(グルコバイ)を服用しているときは、ブドウ糖の服用が必要です。
- 低血糖の予防
規則正しい時間に,決まったカロリーの食事をとる。農作業などの重労働、ゴルフなどをするときは、その前の食事で、しっかりカロリーをとる。
- 糖尿病薬で低血糖が起こりやすいもの
インスリン,SU剤、グリニド等
これらはどれも非常に有効な薬ですが、前述した,食事の問題や薬物の使い方が合っていないと低血糖を起こすことがあります、よい薬ですが,使い方を誤るといけないと言うことです。いろいろなお薬が増えて選択肢が増えましたが,やはりインスリン治療は糖尿病治療の王道です。
主治医に,自分の生活サイクルや食事内容を十分話して相談することが必要です。
- 夜勤や営業関係の仕事で,食事時間が不規則になりがちな方は,インスリンや薬物の調整が難しいのですが、主治医と十分、相談するようにしましょう。必要かつ十分な量の薬を処方し,血糖をしっかりコントロールすることが、よい結果を生むことにつながります。
- 低血糖を恐れ,やたらに捕食される方がおられますが,不必要な捕食は,コントロール不良の原因になります。
- 夕方の生汗、気分の悪さ
糖尿病の初期にインスリン分泌のピークが遅れ、3時間ぐらいにピークの来ることがあります。この時間帯は、ちょうど,食後の高血糖が下がってくる時間帯で、相対的にインルリンが過剰になり,軽い低血糖状態が起こることによって起こる症状です。
私のHPの以下のページの2型糖尿病の病態の進展の項を参照してください。
軽く捕食すれば症状が改善されます。
耐糖能負荷試験(OGTT検査)をしないと診断をつけることが難しいです。