今季もインフルエンザワクチン接種を推奨します。

画像-インフルエンザ

北半球の冬季のインフルエンザ流行の予測をするうえで、南半球の状況は参考になります。オーストラリアでは2020年および2021年の統計では、わが国同様、インフルエンザ患者は極めて少数でした。しかし、2022年は4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者が発生しています。海外からの国内への人的交流が増加すれば、国内へウイルスも持ち込まれると考えられます。したがって、2023年は日本でも、秋から冬には、インフルエンザの流行が起こる可能性があります。現に岡山でも、今年の4月頃からインフルエンザ患者発生が報告されています。

この理由として、過去2年間、国内での流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられます。2021-2022年シーズンのインフルエンザ抗体保有率の調査では、以前に比して低下している傾向がみられます。そのため、一旦感染がおこると、大きな流行となるおそれがあります。

2021-2022年には、欧米では、主としてA(H3N2)香港型による流行がみられています。そのため、今シーズンは、わが国でもA(H3N2)香港型の流行が主体となる可能性があります。
若い方は、この2年、ワクチンを受ける方が減り、インフルエンザに対する免疫能が低下しています。 特に免疫能が低下している高齢者では、流行の危険性が大です。

以上のことより インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨します。

お気軽にご相談いただければ幸いです。

粟井内科診療所
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