低血糖の症状
- 強い空腹感、脱力感
- 手指のふるえ、発汗(特に冷や汗)
- イライラ、頭痛、吐き気、ボーっとして無口になる。
- ひどい場合は、眠り込んだり、意識不明になったりする。
これらは、食前、夜中といった血糖の下がってくるときに起こりやすい。
血糖値と主な低血糖症状の目安
血糖値 | 主な症状 |
---|---|
80~110mg/dL | 「優」コントロール良好 |
60~70mg/dL | 空腹感、あくび、悪心 |
50mg/dL | 無気力、倦怠感、計算力衰退 |
40mg/dL | 発汗(冷汗)、動悸(頻脈)、震え、顔面蒼白、紅潮 |
30mg/dL以下 | 意識不明、異常行動、けいれん、昏睡 |
※血糖値と発現する症状・時期には、個人差があります。
低血糖に対する対策
- 食事時間の遅れ、過度の運動、通常より食事摂取量が少ない等、低血糖の原因となることを避ける。
- 低血糖の症状には個人差があり、自分の場合どのような症状がでるか把握しておく。低血糖であることを確認するまで待たない。早めに砂糖水などを飲む方が安全です。
- 疑わしい時は、砂糖水、カルピス、ジュースなどをコップ2杯(1杯で約20gの砂糖に相当する)を飲む。これで症状が改善したら、まず低血糖に間違いないので、早めに食事をする。ゴルフ場などで、ジュース、砂糖の入ったコーヒー、カルピスなどを飲んだだけで引き続きプレーをすると、その後、再び低血糖を起こすことがあります。従ってジュースなどを飲んでもそれに上乗せする意味で必ず補食をすること。
- 低血糖を起こすよりは、少し高めの血糖が無難であるが、200mg以上は好ましくない。
- 外出の際は、市販の砂糖の袋(1袋7~10g)を合計40g程度携帯する。ただし、ベイスン、グルコバイを服用されている方は砂糖ではなく、ブドウ糖を飲む必要があります。1回に10g程度飲めば、砂糖20g相当の効果があります。
- 糖尿病薬、インスリン使用中の方は、昼食前、夕食前に低血糖が起こりやすいので肉体労働を行う時は、朝食や昼食を多く摂るか、昼食前、夕食前に補食してください。
- 運動する場合は、食後2時間以内に行い、食前の運動は避けること。
インスリンによる低血糖
- インスリン注射を指定された量より多く注射すると起こります。
- 食事量が少なかったり、食事をとばしたりすると起こります。
- インスリン注射後30分以上も食事が遅れると起こりやすい。
- 下痢した時、旅行などで食事が平常より少なかったり、不規則になっているときに起こりやすい。
- 平常よりも量が多い、あるいは、激しい運動をしたときに起こりやすい。
糖尿病経口薬による低血糖
- インスリンの場合と比較し、症状が徐々に起こりますので、はじめは気づき難いことがあります。薬の種類によっては、強い低血糖が起こることがあります。疑わしい症状があれば、早めに対策をとってください。
- 食前、特に夕食前に起こることが多い。
その他の事項
発熱、下痢、嘔吐などがあるため食事がとれない時(シック・デイ:sick day)にインスリンを全く注射しない方が良いというのは誤りです。
完全な絶食の時でも通常の半分程度のインスリンは必要です。このような時は、速やかに主治医に連絡し相談してください。
[→妊娠糖尿病]