Hba1c6.5%からガイドラインは糖尿病と診断されますが、正常人のHbA1cは5.0%ぐらいです。HbA1c5.6%から正常ではない血糖140mgが食後などに出現するのがわかっており
このあたりから、軽い糖尿病があると考えて、食事・運動に気をつけることが大切です。
加えて、精密GTTで以下のことを知ることは重要です。
1. あなたの膵臓は今どの段階?「糖尿病の自然経過」を知る
糖尿病は、ある日突然発症するものではありません。血糖値が上昇するずっと前から、膵臓の機能は段階的に変化しています。自分が今、どのステージにいるのかを把握することが、将来の健康を守る唯一の手段です。
「HbA1c 5.6%」から始まる膵臓の悲鳴 ―― 正常値5.0%との決定的な違い

ステージ a:正常
インスリン分泌と血糖値が完璧なバランスを保っている、健康な状態です。
ステージ b:高インスリン血症(肥満型)
肥満等によりインスリンの効きが悪くなり、それを補うために膵臓が過剰に働いています。検査数値が正常範囲内であっても、膵臓の「過労」はすでに始まっています。
日本人は、このパターンからの発症は少ないと思われていましたが、近年、このタイプも増えています。
ステージ c・d:予備軍 〜 初期(介入の分岐点)
膵臓が限界を迎え、インスリン分泌が低下し始めます。**ここが「未来を守る分水嶺」です。**食事・運動療法に加え、適切な薬物療法の開始を検討すべき重要な局面です。
ステージ e:進行糖尿病(枯渇期)
インスリン分泌能が著しく低下します。経口薬だけでなく、早期からのインスリン導入が必要になるケースも少なくありません。
2. 早期介入が「発症リスク」を半分に抑えるという事実
「まだ薬を飲むほどではない」という自己判断が、将来の合併症リスクを招くことがあります。
世界的な大規模臨床研究(STOP-NIDDM等)によれば、境界型の段階で専門的な医学的介入を行ったグループは、行わなかったグループに比べ、将来の顕性糖尿病への移行率を「約半分(36%〜50%)」に抑制できたという明確なデータがあります。
3. 粟井内科診療所が「内因性インスリン」の測定にこだわる理由
HbA1cという「結果」の数字だけを見るのは、対症療法に過ぎません。
当院では、その数字の背景にある「膵臓の余力(内因性インスリン)」を正しく評価することにこだわります。根拠に基づいた精密な検査こそが、一人ひとりの病態に合わせた最適な糖尿病治療を可能にします。
ステージcやdの段階で「様子見」を選択することは、坂道を転がり落ちるのを黙って眺めるのと同じです。科学的データが示す通り、今この瞬間の介入こそが、将来のあなたを「発症」から守るための最も確実な投資となります。
翌年の検診で、ステージe(分泌枯渇)に到達してからでは、失われた膵臓の機能を完全に取り戻すことは困難です。
「自分の本当のステージ」を確認し、手遅れになる前に膵臓を守る事が重要です。
| 項目 | 放置した場合(ステージD→E) | 早期介入 |
| 膵臓の寿命 | インスリンの枯渇・機能破綻 | 分泌能の維持・回復 |
| 血管の状態 | 全身の血管の腐敗(合併症) | 弾力ある血管の保護 |
| 5年後の未来 | 人工透析、失明、心筋梗塞 | 糖尿病発症リスクを約50%抑制 |
| 治療の難易度 | インスリン注射が不可欠 | 食事・運動・適切な内服 |


