明確な定義はない。境界型と同義に扱われることもある。
一般的には、糖尿病と診断できるほどの高血糖はないが、正常とはいえない高血糖状態が存在するときを指していることが多い。顕性糖尿病に進展する頻度が高く、厳密にいえば初期の糖尿病である。 この時期より、生活習慣の改善、食事、運動療法をすることが望ましい。
平成28年「国民健康・栄養調査」によると、
糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者) 1000万人
男性の16.3% 女性の9.3%
糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群) 1000万人
両者併あわせて約2,000万人とされている。年齢が高いほど糖尿病有病者の割合が高くなる。また、糖尿病有病者の割合は最近20年間で増加傾向にある。
早期発見には、糖負荷試験が有用である。(血糖と同時にインスリンを測定する精密糖負荷試験が望ましいが、通常のドックでは、血糖のみ測定する簡易検査が行われている。) また、下記のような方は糖尿病発症の高リスク群として糖負荷試験を施行したほうがよい。
- 運動不足、肥満・過体重、食べ過ぎ、ストレス
- 高血圧、高脂血症などの生活習慣病の人
- 糖尿病の家族歴
- 年齢40歳以上(加齢とともに増加する)
- 妊娠糖尿病、巨大児出産、異常妊娠/分娩の既往
- 境界型(耐糖能異常[IGT:Impaired Glucose Tolerance])の既往
[→妊娠糖尿病]