「足がしびれる」という症状の背景には、さまざまな原因が考えられます。適切な治療を行うためには、まずその原因がどこにあるのかを正確に特定することが重要です。

1. 糖尿病性末梢神経障害

代謝異常や微小血管の循環障害により末梢神経が障害される病態です。左右対称のしびれや感覚鈍麻が生じますが、感覚が鈍くなることで足の傷や血流障害による変化に気づきにくくなる側面があります。早期の発見と適切な管理が重要です。

2. 閉塞性動脈硬化症(糖尿病の合併症としては大血管障害)

下肢の主要な血管が動脈硬化により狭窄・閉塞する病態です。一定距離を歩くとしびれや痛みが生じ、休むと改善する「間欠性跛行」が典型的な症状です。組織への血液供給が滞るため、早期の血流評価と治療が不可欠です。ひどくなるといわゆる壊疽です。

なお、大血管障害は足だけでなく 心臓(心筋梗塞)頸部の閉塞性動脈硬化症としても、発症します。糖尿病の場合は大血管に、狭窄が数珠状に来るため、手術や血管を拡げるステントを入れるのが難しい場合もあります。

3. 腰椎変形性関節症・脊柱管狭窄症

加齢などによる腰椎の変形が神経を物理的に圧迫する病態です。特定の神経領域に沿ったしびれが生じます。血管性の症状と似ている場合がありますが、その機序は異なります。

歩くと症状が悪くなり、休むと軽減するというのは閉塞性動脈硬化症と似ています。

4. 多発性末梢神経炎

ビタミンB1などの栄養不足や代謝異常によって起こる神経障害です。広範囲の末梢神経が障害され、しびれや脱力感が生じるため、適切な栄養補完や原因の是正が必要です。

5. 局所性圧迫

合わない靴や就寝時などの長時間の不自然な姿勢による物理的な神経圧迫です。特定の部位に限定した一時的なしびれが生じることがあります。

しびれの原因を正確に診断するには、問診や検査による慎重な鑑別が欠かせません。症状を放置せず、お早めにご相談ください。足のしびれは、単なる神経の問題ではなく、全身の血管や代謝のサインかもしれません。当院では糖尿病専門医・総合内科専門医の両面から、全身を網羅的に診察いたします。